Odawara Lacquerware
千年の漆を、
現代の食卓へ。
Tradition, re-lacquered for today.
小田原漆器——神奈川県小田原市に伝わる伝統工芸をテーマに、観光客・工芸関心層・購入検討者の3層が迷わず情報にたどり着けるよう設計したオンラインストアのコンセプトワーク。
伝統の品格を守りながら、
古く見せない。
小田原漆器の普及を担う団体を想定。Web上での情報発信と購買導線が未整備な状態から、「観光で来た人」「工芸に興味がある人」「購入を検討している人」の3方向に対応する構造を組み立てた。
伝統工芸のサイトは、古めかしくなりすぎると若い層に届かず、モダンにしすぎると品格を失う。その中間にある「和モダン」の解像度を上げることが、このプロジェクトの中心課題だった。
余白、セリフ体、朱・黒・金の配色、和紙のような質感——日本的な要素を残しつつ、今のWebで違和感のないモダンなグリッドとインタラクションで再構成している。
三つの層に、
同時に届ける。
日常に返す。
抱えていた3つの課題
単一の商品ページでは、異なる関心をもつ来訪者に響かない。それぞれが求める情報を自然な動線で提示する必要があった。
- 課題01
- 観光客には、現地で触れる体験価値を。購入ではなく、まず「行きたい」と思ってもらう。
- 課題02
- 工芸関心層には、技法・職人・歴史などストーリーの深さを。
- 課題03
- 購入検討者には、商品・価格・購入方法を、迷いなく数クリックで提示。
全11ページの構成を、ヒーロー→ブランド→体験→コレクション→購入というジャーニーで繋ぎ、どの入口からでも目的に着地できる設計にした。
漆黒と朱、
金の反射。
配色の決め方
漆器そのもののもつ、黒地に朱・金の線が走る構造を、そのままWebの背景と線・アクセントに翻訳。白背景ではなく、あえて深い黒をベースにすることで、商品写真の朱と木目が引き立つようにした。
タイポグラフィ
和の品格をもつ Noto Serif JP をメインに、英字には Playfair Display のイタリック。数字とキャプションには DM Mono を用いて、伝統と現代の両方の空気を文字だけでも伝えられるようにしている。
余白と縦書き
セクションタイトルの一部に縦書きを採用。左右対称ではない「間(ま)」のある余白で、読み急がせず、工芸の手触りが伝わるリズムに。
二言語、
ひとつの世界観。
日本語For Japanese visitors
和の品格・技法・歴史を中心に、文化的背景まで含めて丁寧に伝える。長文でも読み進められるよう、見出し・引用・余白のリズムを整えた。
EnglishFor international audience
翻訳ではなく、海外観光客向けに再構成。"What is Japanese lacquerware?" から入り、体験予約への導線を明確にした。日本語版と同じ世界観を、英字タイポグラフィで崩さずに保つ設計。
素朴な技術で、
重厚な世界観。
全11ページを HTML/CSS/JavaScript の基本技術のみで構築。フレームワークに頼らず、マークアップとスタイルの構造で「重さ」を表現した。
この制作で
見えてきたこと。
大型多ページ構成の設計
11ページをバラバラに作るのではなく、共通テンプレート+独自要素で組むことで、保守性と一貫性を両立できる手応えを得た。クラス命名と粒度の重要性を痛感した案件。
伝統×現代の距離感
「和」を色や装飾で足すのではなく、余白と文字のリズムで作る。引き算でしか表現できない品格があることを学んだ。
バイリンガル設計
直訳ではなく再構成。言語が変われば、同じブランドでも必要な情報の順番が変わる。情報設計の柔軟さを鍛えられた。
次に踏み込むなら
本番運用を想定するなら、Shopify や WordPress (WooCommerce) でのEC化、英語ページの切り替えをマルチサイト構成で実装してみたい。
実案件と仮定した場合の成功指標
このECサイトは「観光客・工芸関心層・購入検討者の3層に、迷わず情報を届ける」ための設計です。公開後6ヶ月時点で、以下の数値を成功ラインと定義しています。
のCVR
到達率
(AOV)
※ 本作品はコンセプトワーク(自主制作)のため、実測値ではなく設計時に設定したKPI目標です。
和モダン・工芸系のサイト、
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